宅建士と行政書士の違いはなに?取りやすさや転職事情を解説【検証】
- 宅建士と行政書士の仕事の違いは?
- 宅建士と行政書士はどっちが難しいの?
- 宅建士と行政書士の資格は何に役立つの?
こんな疑問に答えます。
先が見えない経済状況の中で、資格をとっておきたいと思っている方もいるかと思います。
人生の保険として資格は大事ですからね。
ボクもそうでした。
家族を養うため41歳で宅建士になりました。
そんなボクが資格を取って肌で感じたことも書きました。
資格を取ってみたいけど、と悩んでいる方はぜひ最後まで読んでください。
- 現役の宅建士で管理物件の家賃収入総額は月1千万円以上
- 毎年の不動産売買取引総額が1億円以上の不動産マン
- 売買も賃貸もマルチにこなす不動産マン
行政書士の先生といつも仕事をしているボクがこれから分かりやすく解説します。
この記事を最後まで読めば宅建士と行政書士について理解できます。
宅建士と行政書士の仕事の違い

宅建士、行政書士どちらも法律系の資格で独占業務があります。
独占業務とはその資格を持つ者しか業務ができない、法律で定められている資格です。
そして、どちらも国家資格であるという共通点があります。
ですので民間の資格と違い希少性があります。
しかし、この資格を持っていれば飯を食っていけるかは、本人しだいになります。
どんな仕事でも言えることですが、お客様から信用を得てれば、どんどん仕事がきます。
これから2つの資格を徹底解説します。
宅建士の仕事内容

宅建士は土地や建物を売ったり買ったり貸したり借りたりする際に、経験がないお客様が不当な損害を被ることがないようにサポートをする仕事です。
正式には「宅地建物取引士」と言います。
国家資格の中でも人気の資格です。
次で不動産の仕事と宅建士の業務を説明します。
不動産の仲介とは
不動産の仕事では、仲介が一般的です。
仲介とは
不動産の取引のときに、売主と買主、貸主と借主の間に立って両者をサポートし、売買や貸借の契約を成立させることです。
不動産会社は間を取り持つことで手数料をいただきます。
これが不動産会社の主な収入になります。
仲介手数料は、宅地建物取引業法で決められているため過度な請求はできません。
そういったことより、不動産仲介はとてもクリーンな取引となっています。

宅建士が行う不動産の取引の内容
不動産の取引をする際に、不動産屋は広告や、物件調査、案内、契約条件の作成、必要書類を作成します。
しかし、この業務は宅建士でなくてもできます。
宅建士しかできない独占業務は下です。
- 重要事項の説明
- 重要事項説明書の記名
- 契約書の記名
※②③は2022年5月に押印がなくなり記名のみになりました。
この3つは不動産取引の肝になる業務ですので、資格取得者しかできないんです。
行政書士の仕事

行政書士の仕事は、国や行政に提出する権利義務や事実証明に関する書類の作成業務を行うものです。
難しい書類をお客様に代わって作成し、官公署等へ提出しますといった感じです。
行政書士の業務はとても範囲が広いです。
不動産関係でも行政書士にお願いしなければならない仕事もあります。
行政を分かりやすく説明
行政といってもピンとこない人もいるかと思いますので、分かりやすく説明します。
行政を簡単に言うと
法律で決められた内容を実行する組織のこと
具体的には
- 政府
- 地方公共団体
になります。
その中で一番のトップが「内閣総理大臣」になります。
この行政に対して提出する書類を作成したり、サポートしたりできるのが行政書士になります。
行政書士の仕事内容
行政書士は行政手続きの専門家であり、住民が官公庁に書類を提出するときに代理で手続きができる資格です。
行政書士の業務は本当に幅が広いため、今回はメジャーな仕事だけをご紹介します。
- 契約書の作成
- 車庫証明の登録申請
- 日本の国籍取得
- 農地転用の許可申請
- 内容証明郵便の作成
- 法人設立の手続き
- 外国人雇用申請
- 開業の許可申請
- 中小企業のコンサルティング
- 知的財産の申請
一部ですが、こういった内容が行政書士の仕事になります。
行政書士が取り扱う書類は1万種類を超えるといわれています。
宅建士も行政書士も、どちらも法律知識を用いて仕事ができる国家資格ではありますが、行政書士の方がさまざまな範囲にまで渡ります。
宅建士と行政書士はどっちが難しいの?

結論から言って、行政書士が難しいです。
宅建士の方が取りやすいです。
宅建士は民法や借地借家法などの権利関係、宅建業法、法令上の制限等、不動産取引に必要な知識のみが問われます。
それに対して、行政書士は、民法や行政法など行政手続きに関する知識を幅広く網羅しなければならず、勉強時間が多くなりがちです。
また行政書士は、一部記述式となっており、深い理解も必要になっています。
次で2つの資格を詳しく説明します。
宅建士の資格を取得するには
宅建士の資格は、毎年20万人くらいが受験し、合格率は約15%~17%です。
試験は約70%以上の正答率が合格ラインとなります。
難関資格ではありませんが、勉強時間は平均して約300時間~400時間くらい必要だと言われます。
ちなみにボクは宅建を独学一発合格しましたが、勉強時間は730時間でした^ ^
恥ずかしいですが、これはボクなりに戦略的に考え、独学で一発合格するための勉強方法でやりました。

宅建試験の内容と出題数は下です。
- 50問出題され1問1点の50点満点
- 合格基準点は相対評価になり31点〜38点
- 合格率は15%〜17%
- 4肢択一のマークシート方式で1問25%の確率で正解
- 民法 14問
- 宅建業法 20問
- 法令上の制限 8問
- 税・その他 8問
勉強方法は、予備校に通ったり、通信教育で学んだり、独学だったりいろいろ方法はあります。
今はアプリやYouTubeでも豊富に勉強方法を配信していますしね。
時間をかけるというより、用語や内容をより深く理解することが大事ですね。
とはいえ、理解するには時間がかかります。
通学・通勤時間等、隙間時間を利用する手段もたくさんありますので、自分に合ったスタイルで勉強することをおすすめします。

行政書士の資格を取得するには
行政書士の資格は、毎年5万人くらいが受験し、合格率は約10%です。
他の法律系国家資格と比較すると難易度は高くないという人もいますが、法律系の専門用語がたくさん出てきますし、宅建士の合格率に比べても難易度は上がります。
出題される範囲も広いので、勉強時間も目安として500時間~1000時間ほど必要だと言われています。
行政書士の試験内容は
- 憲法
- 民法
- 行政法
- 商法(会社法)
- 基礎法学(関連する一般知識)
- 政治・経済・社会
- 情報通信・個人情報保護
- 分章理解
このように、とにかく法律系の出題が多いです。
勉強方法は、予備校に通ったり、通信教育で学んだり、独学等ありますが、ご自身の予定であったり計画であったり、性格等を踏まえた上で検討するのが良いです。
宅建試験もですが、法律は普段は使わない特殊な言い回しがたくさんあるので、なるべく過去問などで法律に触れ、内容を理解し慣れていくことが大事です。
ボクの経験だと法律用語の言い回しは、何度も何度も過去問を解いているうちに慣れてきます。
宅建士と行政書士の資格は取ると良いことある?

宅建士や行政書士を持っていると、実際にどんな役に立つのかを説明します。
宅建士を持っていると良いこと
宅建士の資格を持っていれば就職や転職に有利になります
また資格手当も出たりします。
ボクの場合は月5万円もらってます。
国家資格でありながら、比較的取り組みやすく、衣食住の住なので日常生活においても役立つこともあります。
合格すれば一生有効な資格なので、取得して損はありません。
ボクの場合は街づくりに興味があったため宅建士になりました。
また独立もできます。
行政書士を持っていると良いこと
行政書士の資格も同じように就職や転職に有利になります。
さらに宅建士と同じように独立開業も視野に入れられます。
どちらかというと法律系の士業の中では敷居も高くない方ですし、いろいろな法律相談に乗ったり行政とのパイプ役を果たしたりとやりがいもあります。
どちらも資格取得の難易度に関わらず、何を目的として資格が必要かでどちらの資格を取得するかが決まると思います。
行政書士としてのコンサルタント業務の中には、相続等不動産に関係する相談もたくさん出てきますので、宅建士とのダブルライセンスを取得すると不動産に関連する手続き等一通りの業務をこなすこともできるので挑戦するのもアリです。
転職は宅建士と行政書士どっちが有利

資格を取ってから転職することは、とても堅実的です。
ボクもそうでした。

転職をする際に、その業界ですぐに活躍はできなくとも、資格を持っていることで採用される確率が上がります。
採用担当者が重視していることはそれだけではないですが、その資格が業務に関係しているのであれば、それはとても有利になることは間違いないです。
ボクの場合は、転職の面接時に宅建士の資格を独学で取得したことをアピールしましたね。

これから2つの資格の転職についてみていきます。
宅建士の転職
転職に関しては、宅建士の方が転職に有利です。
求人情報で見てもらえば分かりますが、圧倒的に宅建士の求人の方が多いです。
宅建士の転職は、ほとんどが不動産会社になります。
建設業界や金融業界でも宅建の資格は活かせますが、転職の求人は少ないです。

行政書士の転職
行政書士は独立開業して業務をすることがメインの資格です。
もちろん転職活動では有利になりますが、宅建士ほどではないです。
国家資格ですので、持っているだけで評価は上がります。
行政書士を目指すのであれば、独立前提で取得する考えの方が良いです。
ボクがお世話になっている先生も取得後すぐに独立していました。
転職のために資格取得を目指すなら、宅建を取るのがおすすめです。

まとめ
宅建士も行政書士も、どちらも専門性が高く、責任のある仕事です。
だからこそやりがいがあります。
宅建士の方が行政書士に比べ、試験範囲も狭く合格率も高いですが、あなたがどの分野でどんな風に活躍したいかですね。
どちらも国家資格で簡単ではないですが、本気で人生を変えたければやる価値はあります。
なんど失敗しても、受かるまでやる覚悟であれば絶対に受かります。
ボクも40歳でチャレンジしましたから、みなさんも大丈夫です。
ぜひチャレンジしてください。
