【意外】家を売るときの価格はどうやって決めてるの?不動産屋が解説
家を売りたいけど、価格ってどうやって決めてるの?
売る時に気をつけることは何かな?
こんな疑問に答えます。
どうも、不動産屋で専任の宅建士をしているサッコです。
家を売るならできるだけ高く売りたいですよね。
よく新聞やチラシに中古の家が載っていますが、価格はきちんとした方法で決めているんですよ。
そこで今回は家の価格の決め方について分かりやすく解説していきます。
この記事を読めばきちんとした価格のつけ方が分かってもらえると思います。
- 現役の宅建士で管理物件の家賃収入総額は月1千万円以上
- 毎年の不動産売買取引総額が1億円以上の不動産マン
- 売買も賃貸もマルチにこなす不動産マン
家を売るときの価格に関係する身近なこと
家を売るときの価格はいろんな要素が関わってきます。
最初に下の身近な5つの要素をお話しします。
- 築年数
- 構造
- 地域
- 場所
- 時期
順番に解説します。
築年数
建物がいつ建てられたかは、価格に大きく影響してきます。
木造住宅は80年以上住むことができると言われています。
ですので築10年や15年でしたらまだまだ住むことができますよね。
しかし築30年40年の家はどうでしょう?
なんか不安ですよね。
実はこの感覚はみなさんも不動産屋も実は一緒なんです。
何年住めるか分からないような家の価格は、あまり高い価格はつけられないんです。
つまり家を売る場合、シンプルに築年数が浅いほど価格は高くなるのです。
また知らない人も多いですが、築年数に関して知っておいた方が良いことが2つあります。
- 1981年6月以降の建物
- 2006年9月以降の建物
この2つです。
1981年6月以降の建物
1981年(昭和56年)6月に耐震基準が厳格化され新耐震基準になりました。
ですので1981年6月以降の家は、地震に対して安心できる家なんです。
この年月を基準に家の価格も変わってきます。
2006年9月以降の建物
建物の内側に湿式石綿含有吹付け材が使用されなくなったのが1989年になります。
そして2006年9月以降アスベストは完全に製造・使用等が全面的に禁止されました。
そうしたことから新耐震ほどではないですが、家の売り出し価格にも少なからず影響しています。
構造
構造も家の価格に影響します。
一般的な家の構造は下の3種類です。
- 木造
- 鉄骨造
- 鉄筋コンクリート造
一概には言えませんが木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造の順で価格が上がっていきます。
家の価値を判断する基準となる耐用年数もこの順番で長くなります。
- 木造 耐用年数 22年
- 鉄骨造(重量) 耐用年数 34年
- 鉄筋コンクリート造 耐用年数 47年
地域
家がある地域も価格に影響してきます。
周辺環境が良い地域にある家はもちろん高く売れます。
ただしこの場合は、家の評価ではなく、土地の価格が高いという理由です。
利便性の良い立地にある家は高い評価になります。
場所
家が建っている場所も価格に大きく影響します。
日光があたりにくい場所や、隣が工場だった場合は低い評価になります。
また裏に崖があったり、川があったりする場所も、自然災害の発生リスクがあるため低い評価になります。
駅が近かったり、角地だったりすると価値が上がります。
時期
家を売る時期は価格に影響します。
一番高く売れる時期は1月から3月です。
なぜならこの時期は、転勤や移動といった企業の人事移動があるからです。
ですので家を売るタイミングも価格を決める際の判断材料になります。
参考:公益財団法人 東日本不動産流通機構 季節マーケットウォッチ
次で、ボクのような不動産の専門家が、どうやって家を査定しているかを分かりやすく解説します。
不動産の評価額の種類
基本的に日本の不動産の評価額は下の5つになります。
- 固定資産税評価額
- 公示価格
- 基準地価
- 路線価
- 実勢価格
この5つの指標を「一物五価」と言います。
この中で一番低い評価になるのが固定資産税評価額です。
一番高い評価になるのが実勢価格です。
固定資産税評価額
固定資産税評価額とは、国が定めた評価基準をもとに市町村が決定するもので
土地と建物それぞれに評価額があります。
この評価額をもとに、固定資産税が決定します。
固定資産税は土地や家を持っている人が、毎年納めなければならない税金になります。
評価の中ではこの評価が一番低く、公示価格の70%と言われています。
公示価格
公示価格とは、国土交通省が毎年3月に公示する標準地の価格になります。
土地の価格です。
全国約26,000地点で地価公示法にもとづいて、専門の鑑定士が土地の価格を設定します。
この価格は誰でも閲覧でき、相続税評価や固定資産税評価の基準になっています。
国土交通省 標準地・基準地検索システムで調べることができます。
基準地価
基準地価は正式には、基準地標準価格と言い、都道府県が主で決定します。
決められた基準値の1m2あたり標準価格です。
基準地価を決める目的は、地方公共団体が土地を買い取る際の価格を決める指標にするものです。
公示価格が国、基準地価が地方というかたちになりますね。
ですので基準地価は公示価格の補完的な指標という役割になります。
路線価
路線価は文字通り、道路に面する土地の1m2あたりの価格になります。
よく東京の銀座の土地が日本一高いと話題になるやつです。
路線価は2種類あり、国税庁が公表するのが「路線価」
市町村が公表するのが「固定資産税路線価」になります。
路線価は公示価格の80%と言われます。
実勢価格
実勢価格とは、実際に売買された家や土地の価格のことです。
価格では、この実勢価格が一番高くなります。
なぜかというと、周辺環境や地域、売主の事情など、さまざまな要因が入ってくるからです。
実際に不動産屋が中古住宅の価格を決定する際にも一番参考にします。
次でボクら不動産屋が家を売る価格の決め方の具体的な方法を解説します。
不動産の査定方法
不動産の査定方法は、下の3つの方法になります。
- 原価法
- 収益還元法
- 取引事例比較法
原価法
原価法とは、分かりやすく言うと
対象の建物を現時点で再度建築するとしたらいくらかかるのかを原価計算し
そこから新築当初から現時点まででどれくらいの価値がなくなったかを引いた査定方法です。
専門的な言葉では
- 今現在同じ建物を建てた場合の原価 = 再調達原価
- 新築当初から失った価値 = 減価
減価は修正率にして計算します。
計算式は下記です。
試算価格 = 再調達減価 ✖ (1ー減価修正率)
収益還元法
収益還元法とは、分かりやすく言うと
対象の不動産が未来においてどれくらい収益を上げるかを想定して価格を決める方法になります。
主にアパートなどの収益物件に対して行う査定方法になります。
計算式は下記です。
試算価格 = 年間の純収益(家賃収入ー経費) ➗ 還元利回り
取引事例比較法
取引事例比較法とは、分かりやすく言うと
同じ地域で過去にあった取引の事例を集めて、そこから事情補正や時点修正、そして地域要因、個別要因も含め比較してもとめる方法です。
過去の取引事例をもとに算出していく方法です。
家を売るときの他の要素
家を売る時の価格は、上記の他にもいろんな要素が関わってきます。
ですので計算式だけでは一概に決められないのです。
どんな要素があるのかをこれから解説します。
安くても早く売りたい
家を早く売りたいなら、価格を下げる必要があります。
なぜなら買う側もある程度の標準価格を知っているからです。
よほど良い物件ではない限り、相場で出しても買い手はすぐには見つかりません。
ですので早く売りたいなら、価格は相場より安くする必要があるのです。
相場で早めに売りたい
相場で早く売るのは正直難しいです。
もし相場で早く売りたいなら、水回りのリフォームといった何か付加価値をつける必要があります。
最近は中古戸建の売り物件が増えているため、普通に売ってもなかなか買い手が見つからなくなっています。
相場で早く売りたいのであれば、何かアピールできる材料を用意しておく必要があります。
時間がかかっても高く売りたい
時間がかかっても高く売りたい人は、最初に高めの価格設定でスタートしても大丈夫です。
家を高く売りたいなら、設定した金額で購入する人が現れるまで、じっくりと待つことですね。
ただしあまりにも相場からかけ離れている価格だと、いつまでも売れませんので注意が必要です。
このように一般的な不動産査定方法とは別に個別の要素も価格設定に関係してくるのです。
自分で家の相場を知る方法
不動産屋に相談する前にご自身で家の相場を知りたい方は下の2つの方法で確認できます。
- ポータルサイトで同じような物件を探す
- 一括査定サイトに依頼する
ポータルサイトで同じような物件を探す
不動産ポータルサイトのスーモやアットホームで、実際に売りに出されている類似の戸建を探します。
ただしこれは同じ築年数や地域に限ります。
同じような物件がない場合は参考になりません。
無料の一括査定サイトに依頼する
実際に売れる価格を具体的に知りたいなら、一括査定サイトに依頼するのが一番です。
無料で査定してもらえますし、査定後のしつこい営業もありません。
また複数社から見積りが届きますので、比較することができます。
一括査定サイトはタウンライフがおすすめです。
誰でも簡単に無料で査定してもらえます。
家を売るときに注意すること
最後に家を売るときに注意することを3つお伝えします。
仲介手数料がかかる
家を売る時は、不動産屋にお願いするため仲介手数料がかかることを知っておいてください。
売れたお金がそのまま入るわけではありません。
不動産屋も家を売るときにいろんな労力を使っていますからね。
事前調査、重要事項説明書や契約書の作成、広告などたくさんの仕事をしています。
この報酬として仲介手数料が発生するのです。
仲介手数料は宅建業法で決められた金額になります。
内覧の対応が必要になる
家を売ると決まったら、買いたい人から問合せがきたときに内覧の対応をしなければなりません。
家を買いたい人は、買う前に事前にきちんと家の中を見たいですからね。
家を売ると決まったら、敷地も含めて買いたい人に見せなければならないことを知っておいてください。
確定申告が必要になる
家が売れた場合は、その収入を税務署に申告しなければなりません。
売れた金額を報告して税金を支払わなければならないのです。
申告しなかった場合は罰せられますので注意してください。
申告は確定申告になります。
ただしこの確定申告は、譲渡益が発生した場合になります。
場合によっては、家を売って損失がでるときもあります。
そういったときは確定申告は不要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
家を売るときにつける価格は、きちんとした方法で決められていることが分かってもらえたのではないでしょうか?
家は安い金額ではないので、不動産屋も慎重に査定しているんです。
ただし同じ物件でも、不動産屋によって査定額はバラバラなのが現状です。
家を売りたいとお考えでしたら、まずはタウンライフの一括査定で相場感を掴むのが良いと思います。
家を売るなら、売却計画を立てることをおすすめします。