まなび

子供の性格は遺伝の影響が50%、家庭環境よりも大切なものと親の役割とは?

性格
・子供の性格は遺伝で決まるってホントなの?

・子供が成長していくうえで、親はどう接したらいいのかな?

こんな疑問を持ったことはありませんか。

本記事の内容

性格に遺伝子は影響するのか具体的に解説

子供の個性の伸ばし方についての解説

この記事を最後まで読めば、子供との接し方についての悩みが消えていくでしょう。

「子供は親の鏡」とも言われます。

子供ってやけにいろいろなところが親に似てきますよね。それが自分のよいところだけならいいのですが、できれば悪いところは似てほしくないですよね。

親だったら誰もが一度は考えたことがあるかもしれません。

結論から言うと、子供の性格は遺伝の影響が約50%というのが最新の研究データの結果です。

それでは残りの半分は? 実は、親の子育てや家庭環境よりも、子供の性格の形成にもっと大切なものがあります。

そんな子供の性格の遺伝について、これからわかりやすくご紹介していきます。

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子供の性格は遺伝子の影響が約50%

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子供の性格は親に似ます。これは否めない事実です。

なぜか似てほしくないところって親に似るんですよね、、

でも安心してください。性格は遺伝だけではないんです。

性格と遺伝子について統計的に実証された

「子供の性格の約半分は遺伝子で決まる」そう述べるのは、行動遺伝学の専門家で双子研究の権威としても知られる慶應義塾大学の安藤寿康教授です。

安藤教授はこれまでのべ1万組の双子を研究した結果、子供の性格を形成するのは育った家庭環境よりも遺伝による影響が大きいことを明らかにしました。

従来、違う環境で別々に育った双子は、育った家庭環境の違いなどによって性格も変わると考えられてきました。

しかし、安藤教授は、たとえ違う環境で育った双子でも、同じような性格特性を示すことを統計的に実証し、子供の性格や行動は親からの遺伝が大きいことがわかったのです。

研究結果からみる性格の遺伝

安藤教授の研究によると、子供の心理や行動における遺伝の影響は以下の通りです。

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引用元:生まれつき? 育て方? 子どもの能力を伸ばすには(NHKすくすく子育て情報)

●IQ(知能指数) 50~60%

●外向性(興味関心が外界に向けられる傾向、積極性・社交性・明るさ) 46%

●調和性(バランスを取り調和的な行動をとる傾向、思いやり・やさしさ・献身的) 36%

●誠実性(責任感があり勤勉でまじめな傾向、自己規律・良心・慎重) 52%

虐待や育児放棄など特別な状況がなければ、育った家庭環境や親の育て方などはあまり影響がなく、子供の性格は遺伝による部分が大きいようです。

アメリカの有名な教育研究者・心理学者であるジュディス・リッチ・ハリス氏も、著書「子育ての大誤解」の中で、子供が大人になったときにどのような性格になるかを決める主要因は、親の教育よりも「遺伝的要因」であることを述べています。

このように、子供の性格と遺伝には深い関係があることがわかりました。それでは、子供の性格を形成する残りの約半分(50%)はいったい何による影響なのでしょうか。

次項にて掘り下げていきます。

残りの半分は家庭以外の環境で決まる

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「遺伝で説明されていない部分は環境で説明される」

東京大学で発達心理学・感情心理学を研究する遠藤利彦教授はそのように話します。

子供の性格を形成する残りの約50%は環境による要因が大きいということです。

環境による要因

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引用元:生まれつき? 育て方? 子どもの能力を伸ばすには(NHKすくすく子育て情報)

「環境」と聞くと、多くの人が家庭環境が最も子供への影響が大きいと考えるかもしれません。

しかし、安藤教授やハリス氏の研究によると、家庭環境はそれほど影響がなく子供に最も影響を与えるのは家庭以外の環境(特に友達関係)が大きいといいます。

子供時代にどういう友達関係を築くか、子供同士の集団の中でどういう体験をするか。それが子供の性格形成にとって最も大きな影響があるというのです。

たしかに、子供時代を振り返ってみれば、幼少期などは親の存在が極めて大きいですが、物心がついてから性格の基礎が形成される小学生期には友達関係が大きな割合を占めていたように感じます。

また、同じ家庭で生まれ育った双子や兄弟であっても、友達関係は互いに異なります。周囲との関係性が変われば、考え方や行動・生活スタイルも自然と変わるものです。

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子育てによる性格への影響

子供の性格や行動は、親の子育てによる影響が大きいと考えがちです。

三歳までの育て方がその後の人生に大きな影響を与えるともよく聞きます。しかし、このような「子育て神話」が多くの子育てママ・パパたちを悩ませてきたことも事実です。

もしかしたら、私の子育ては間違っているの・・・? と、何度も悩んだ経験がある人も多いことでしょう。

しかし、そうではなくよほどの貧困や虐待など、深刻なレベルの問題がないのであれば、あなたの子育ては間違ってはいません。

人並み程度の親の愛情と安心して暮らせる生活環境があれば、あとは周囲との関係性の中で子供たちは育つのです。

それでは、親が子供たちのためにできることは、いったい何なのでしょうか?

遺伝と環境の組み合わせで子供の個性は伸ばせる

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ここまでで、性格がどんな過程で形成されていくのか十分に理解できたかと思います。

大事なのはここからです。

どのように我が子と接すれば、個性豊かな人間(性格)に成長していくのかを掘り下げていきます。

 

結論、親が子供の成長のためにできることは大きく2つです。

  1. 基本的な愛情を注ぎ、子供が安心して暮らせる生活環境を整えること
  2. 子供の興味関心を引き出してあげる環境と機会を与えること

 

1つ目:基本的な愛情を注ぎ、子供が安心して暮らせる生活環境を整えること

基本的な愛情と環境については、先ほどもお話しました。子供たちが安心して暮らせる衣食住の生活環境をまず整えてあげることが大切です。

家庭での生活環境は子供たちの心身を育てる土壌になります。

豊かな土壌があってこそ、子供たちの心も育まれ、周囲との関係性にも発展します

2つ目:子供の興味関心を引き出してあげる環境と機会を与えること

子供の興味関心を引き出してあげる環境や機会を与えることが大切です。

子供の性格は遺伝、つまり「生まれつき」によるものが半分です。しかし、この生まれつきを伸ばすためには、その子供にあった環境が必要になります。

例えば、生まれつき音楽に優れた感性があっても、音楽に触れ合う環境がなければ、その子の感性は育ちません。

また、動物や植物を深く観察できる資質を持っていても、自然との触れ合いがなければやはりその子の資質を伸ばすことはできません。

たとえ同じ配列の遺伝子を持っていても、環境によって遺伝子の働きが変わることが科学的にも証明されています。

このように遺伝と環境の組み合わせによって、子供の性格や能力、感性などを伸ばし、個性を育むことができるのです。

 

まとめ

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最後に、子供の性格と遺伝についてまとめます。

子供の性格と遺伝についての3つのポイント

  1. 子供の性格は遺伝の影響が約50%
  2. 残り約50%は家庭以外の環境(特に友達関係)による影響が大きい
  3. 遺伝と環境の組み合わせで子どもの個性は伸ばせる

親が子供の個性を伸ばすためにできる2つのこと

  1. 基本的な愛情を注ぎ、子供が安心して暮らせる生活環境を整えること
  2. 子供の興味関心を引き出してあげる環境と機会を与えること

 

子供の個性は子育てだけで決まるのではありません。遺伝と環境の組み合わせが大切です。

もし、子育てに悩んだら、まずはその子にあった環境を用意してあげることを考えてみてはいかがでしょうか。