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集中力と記憶力が低下する意外な5つの原因【誰でもできる改善方法】

集中と記憶

 

集中力や記憶力が落ちてくると、今まで思い出せていたものが急に思い出せなくなったりしてきます。

「あれ、あの俳優の名前なんだっけ?」といったように、記憶の扉が開かなくなってきたりします。

「もしかしたら自分は病気なのかも・・・」と不安に思ってしまうこともあるかもしれません。

しかしそれは、原因が何なのか分からないからです。原因が分かれば、不安は消えていきます。

一般的に、集中力や記憶力は年齢とともに低下すると言われますが、最近では30代~50代の比較的若い世代にも集中力や記憶力の低下が増えていることがわかっています。

その理由はなぜでしょうか?

この記事では最近の脳科学などの研究をもとに、集中力や記憶力が低下する5つの原因とその改善策などをわかりやすくご紹介します。

集中力や記憶力が低下する5つの原因

集中と記憶

集中力や記憶力が低下するのには原因があります。

まずはこの原因から掘り下げていきましょう。

1.脳の老化や働きの低下

よく年を取ると記憶力が落ちると言われますが、これは加齢による脳の老化が原因になっています。

人の脳は、年齢とともに、脳の血流や神経細胞の機能が低下したり、活性酸素によるダメージを受けたりして次第に老化していきます。

それが記憶力や集中力の低下につながっているのです。

また、脳の働きに必要なビタミンBなどの栄養素が不足すると、脳の記憶にかかわる働きが低下し、記憶力の低下をもたらすこともあります。

2.ストレス

強いストレスを受けると、自律神経やホルモンバランスが乱れ、集中力や記憶力の低下をもたらすことがあります。

人は強いストレスを感じると、脳内でストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」が多く分泌され、脳の「海馬」という部位に作用します。

海馬は記憶にかかわる重要な部位とされており、コルチゾールによる作用を受け続けると、海馬が委縮したり神経細胞が破壊されたりします。

そして記憶力の低下や感情の乱れ、注意力の低下などにつながる恐れがあります。

 

3.睡眠不足

脳は夜眠っている間に、記憶の整理や定着を行っています。

睡眠にはレム睡眠(浅い睡眠)とノンレム睡眠(より深い睡眠)が90分間隔で繰り返されることが知られており、この2つの睡眠がしっかりと繰り返されることで記憶が定着していきます。

睡眠不足になると、この2つの睡眠が確保されないため、記憶力の低下や物忘れの原因になったりします。

また、ノンレム睡眠が不足すると、脳が十分な休息を取ることができず、日中の活動時間帯に集中力を欠くようになります。

特に現代では夜型の生活や不規則な生活リズムになりやすい傾向があり、睡眠時間の確保は現代人の心身の健康にとってとても大切な要素です。

4.スマホ脳過労

最近の若い世代に最も多く、深刻な問題が「スマホ脳過労」と呼ばれるものです。

スマホ脳過労とは、スマホの使い過ぎによって、脳の過労状態が続き、脳の情報処理能力が低下する症状のことです。

脳の情報処理能力が低下すると、今までできたことができなくなったり、小さなミスが増えたり、生活のパフォーマンスが急速に落ちてしまったりするケースが起こってきます。

それだけでなく、感情のコントロールにも支障をきたし、思考力・判断力・集中力が低下しやすくなります。

「スマホでちょっと息抜きでも・・・」なんてこともよくありますが、実は脳にとってはまったく息抜きになっていないのです。

毎日何時間もスマホを見るのが習慣化してしまっている人は注意が必要です。

5.認知症やうつ病

集中力や記憶力が低下し、日常生活にも支障をきたすようになってきた場合には、認知症やうつ病などの可能性も考えられます。

認知症の場合は物忘れがひどくなるほか、時間や場所に対する認識にも支障が見られるようになります。

また、うつ病の場合には、食欲や意欲が低下し、気持ちふさぎこんでしまいやすくなります。

認知症は脳の老化や遺伝・生活習慣などから、うつ病は過度なストレスや脳内の情報伝達物質の異変などから起こると言われています。

もし、認知症やうつ病などの症状に心当たりがあったら、専門の診療機関で診てもらうことが必要です。

集中力や記憶力が低下しやすい人の特徴

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「もの忘れ」に関する研究で知られる医学博士の奥村歩氏(脳神経外科)によると、集中力や記憶力が低下しやすい人には以下のような2つの共通点があります。

  1. ハメをはずしにくくストレスがたまりやすい
  2. 仕事がマンネリ化していて脳に対する刺激が少ない

以下に、詳しくご説明します。

1.ハメをはずしにくくストレスがたまりやすい

奥村氏は、「もの忘れ外来」の患者で多いのは学校の教職員や寺の僧侶、官公庁の役人だと述べています。

共通するのは、みな「社会の見習うべき範」として見られている職業だということです。

そのため、職場や家庭でもハメをはずしにくく、ストレスを抱え込んでしまう傾向が強くあります。

強いストレスは、ストレスホルモンの分泌を促して、集中力や記憶力の低下につながりやすくなります。

2.仕事がマンネリ化していて脳に対する刺激が少ない

人の記憶力をつくる大切な要素に、「脳回路」があります。

脳は刺激を受けるとシナプスと呼ばれる仕組みによって神経と神経がつながり、複雑なネットワークを形成していきます。

この脳回路が発達すればするほど、記憶の引き出しや問題解決のための発想などがうまくできるようになります。

ところが、毎日同じ仕事の繰り返しで刺激がなくなってくると、脳回路の発達が促進されず、脳全体の機能も停滞するようになります。

特に、マニュアル通りに行うことが要求される仕事や毎日淡々とこなすだけのマンネリ化しやすい仕事の人は、脳への刺激が不足しやすいので要注意です。

集中力や記憶力を高めるための5つの方法

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それでは、集中力や記憶力を高めるためには、どんなことに気をつければよいのでしょうか?

ここでは具体的な5つの方法についてご紹介します。

1.脳によい栄養素を取る(ビタミンB、DHAなど)

まず、脳の働きによいとされるビタミンB、DHAなどの栄養素を摂取しましょう。

ビタミンBは脳の神経伝達物質の合成に必要な栄養素であり、DHAは脳を活性化して集中力や判断力を高める働きがあります。

ビタミンBが豊富な食べ物には、レバーやいわし、さんま、しじみ、のりなどがあげられます。

特に、いわしやさばなどの青魚にはDHAなどの栄養素も豊富に含まれています。

よく「魚を食べると頭がよくなる」と言われるのもそのためです。

食事での摂取が難しい場合は、サプリメントやドリンク剤などを利用して栄養素を補給するのもよいでしょう。

関連記事≫記憶力を高める9種類の食べ物とは

2.息抜きをする

集中力や記憶力の向上と脳の関係とは密接な関係にあります。

ストレスによる自律神経やホルモンバランスの乱れを防ぎ、脳の機能を高めるためにもストレスをためない工夫が必要です。

ときには家でゆっくり過ごしたり、好きな趣味に没頭する息抜きの時間をつくったりしながら、ストレスをためない生活を心がけていきましょう。

3.十分な睡眠時間を取る

十分な睡眠時間が集中力や記憶力を高めることは、脳科学の研究でもよく知られています。

イギリスの研究者が調べた、睡眠時間と脳の認知機能の関係によると、記憶力を維持するために最適な睡眠時間「6時間半~7時間半」だと言われています。

もちろん睡眠時間だけではなく、睡眠の質も大切です。

夜ぐっすり眠れるようになるためにも、日中はよく体を動かしたりするなど、エネルギーを発散することを心がけましょう。

規則正しい生活リズムと十分な睡眠時間を取ることは、脳をしっかりと休め、日中の集中力や記憶力を高めることにもつながります。

4.脳を休める時間を持つ

脳を休める方法は、睡眠時間を取る以外にもいくつかあります。

一番簡単なのは、何も考えず、ボーッとする時間をつくることです。これは特に、スマホ依存な生活をしている人に必要です。

情報の受け取りや思考力・創造力などを担っている脳の「前頭前野」という部位には、大きく分けて「浅く考える」「深く考える」「ぼんやりと考える」の3つの機能があります。

スマホを見て情報のインプットをし続けると、前頭前野の「浅く考える機能」ばかりを使ってしまい、脳が過労状態に陥ります。

そして、「深く考える」「ぼんやりと考える」機能は停滞してしまうのです。

ですから、1日5分~10分でもよいので、何も考えずボーっとしたり、散歩して気分転換を図ったりしてみましょう。脳をリラックスさせる、よい休息時間になります。

また、あえてスマホを見ない時間をつくることも手です。

普段の生活から少しだけ行動を変えてみて、メールではなく手紙を書く、インターネットからではなく本から情報を収集するなど、新たな刺激を与えることが脳をさらに活性化することにもつながります。

5.よくかんで脳を活性化させる

最後に、脳を活性化させる最もシンプルな方法をご紹介します。

それは「よくかむ」ことです。

神奈川歯科大学の小野塚實名誉教授は、咀嚼(そしゃく)は脳の血流を促して神経活動を活性化させ、海馬や前頭前野を刺激して集中力・記憶力を高めると述べています。

例えば、勉強中にガムをかむことも、集中力維持のためにはよいようです。

「勉強中にガムをかむなんて・・・」と思ったりもしますが、脳と咀嚼との関係性から見ると、実に合理的な方法の一つだといえます。

まとめ

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最後に、集中力や記憶力が低下する5つの原因とその改善策についてまとめます。

集中力や記憶力が低下する5つの原因

  1. 脳の老化や働きの低下
  2. ストレス
  3. 睡眠不足
  4. スマホ脳過労
  5. 認知症やうつ病

集中力や記憶力を高めるための5つの方法

  1. 脳によい栄養素を取る(ビタミンB、DHAなど)
  2. 息抜きをする
  3. 十分な睡眠時間を取る
  4. 脳を休める時間を持つ
  5. よくかんで脳を活性化させる

集中力や記憶力を高めるコツは、脳の働きをいかに活用するかですね。

これを参考に、あなたも脳の働きを高め、集中力や記憶力が向上する生活を実践してみてください。

関連記事≫記憶力を高める9種類の食べ物とは